朝青龍、最高！

朝青龍が２４回目の優勝。

うーーーーーーーーーん、すごい、すばらしい！

先場所の千秋楽、白鳳との一戦で朝青龍に抜かりはなかった。
まっすぐに立った背筋、低い足腰、朝青龍のベストの立ち会いだった。
しかし、白鳳は負けなかった。
朝青龍は万全の取り組みで白鳳に敵わなかった。
今迄の負けとは全く意味が違っていた。
ついに白鳳が心技体すべてで朝青龍を凌駕した一瞬だった。

朝青龍は大横綱である。
これほど美しい日本の相撲を実現出来ているのは北の湖以来ではないだろうか。
大乃國も長く活躍していれば同じものを感じ取れたかもしれないが、朝青龍には及ばない。

朝青龍の相撲に取り組む姿勢に迷いは無い。
ただひたむきに励んできたことが、正中線と蹲踞の姿勢を見ればわかる。
立ち合いの際のつま先の向きからも朝青龍がどれだけ相撲を大切にしているか見て取れる。
これほど日本の相撲を愛している力士が他にいるだろうか？

それなのに分かってもらえない。
横綱審議委員の言いがかり、マスコミの的外れな報道にいつも心をかき乱されてきた。
一昨年には、出場停止の処分すらくらった。まったく不当である。

しかし、朝青龍は負けない。
ひたすら稽古に励み、技を磨いた。
力士としては必ずしも恵まれていない体を最大に活かして、心技体を最高潮にもっていった。

それでも先場所千秋楽、ついに白鳳に勝てなかった。
白鳳時代がやってきたのかもしれないと私は思った。
朝青龍の焦りはいかばかりだったろうか。
今までとは違う白鳳の強さと自分の衰えを強く感じたろう。

ところが、今場所。
肘と腕が万全では無いにも関わらず、最高の力と技を発揮して朝青龍は勝ちつづけた。

朝青龍が勝つときは顔で分かる。
他の力士たちが立ち合い直前に気持ちが切り替わるのに対して、朝青龍の集中は早い。
戦う姿勢が出来ると力士たちの歩き方が変わる。日本の技の歩法は通常のものとは違って同じ側の肩と腰が出る。それで分かる。

「集中だよ。集中。」と朝青龍は語る。その言葉のとおり、朝青龍は実践する。

今日の千秋楽。朝青龍をやぶった白鳳の安堵した顔を見て、優勝決定戦は朝青龍だろうと思った。
負けでも朝青龍の心と体は戦いつづけていた。体は紅潮し、血液が駆け巡りつづけていた。

優勝決定戦。負傷したままの右腕で朝青龍は白鳳の前三ツをつかんだ。本来の得意な形だ。
白鳳の腰が浮いた。朝青龍に負けじと白鳳が押し返そうとした瞬間。朝青龍の右手は白鳳の左をさしていた。

白鳳の巨体が回転して土俵に沈んだ。

心と技と力が一致した奇跡の瞬間だった。
あれこそ日本の相撲の理想型だ。

素晴らしい。
最高の横綱だ。

感激のあまり涙が止まらなかった。

朝青龍、感動を有り難う。
あなたこそ日本大相撲の鏡。
歴代最高の真の横綱だ。











内館牧子は二度と相撲に口を出すな。